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先日の捜査情報漏えい事件の新聞記事を読んで、福岡高裁の古川判事はパソコンにあまり詳しくないなと思いました。妻のストーカー犯罪の証拠隠しで彼はパソコンの中のファイルを消したつもりだったようですが、警察はそのファイルを復元したとありました。
私はここで犯罪の手助けをするつもりではありません。コンピュータ(パソコン)のファイルの保存と消去の基本的な仕組みについて知っておいて欲しいのです。
ディスクには、ハードディスクやフロッピー、MO、ZIP、CD-ROM、DVDなど様々な記録メディア(媒体)がありますね。記憶容量、記録と読出し速度、価格、携帯性でそれぞれに特徴がありますが、どれもディスク(円盤)です。1分間に何千回転もしている円盤ですが、記録は細かい小部屋単位に行われているのです。ファイルの大きさにより、通常いくつかの小部屋(クラスタという)に分かれて保存されます。パソコンを買ってきた当初は、ファイルは連続した場所に整然と並んでいますが、使い込んでくるとだんだんと不連続になります。
どういうことかというと、ソフトを削除したりすると空き部屋が出来ます。その後に別のソフトをインストールしたりファイルを追加保存したりすると、空いた部屋に順番に詰めていくからです。「ディスクの最適化」とか「ファイルの再配置」というのは、このバラバラになった断片化したファイルを連続的に並べるということです。年に数回程度でよいのですが、最適化を行うとファイルの読み書きが若干早くなるようです。
さて、本題に戻りましょう。ファイルの削除とは、ファイルをデスクトップ上のごみ箱フォルダーへ捨てることですね。ごみ箱を空にしない限りそのファイルを元に戻すことが出来ることはよく知られています。しかし、ごみ箱を空にしてしまったらファイルは取り出せないのでしょうか。普通には取り出せませんが、削除した直後であれば、ある種のソフトやテクニックで完全に取り出せる可能性があるのです。
ファイルの削除(ごみ箱を空にする)の仕組みですが、先ほどの小部屋をきれいにお掃除してデータを消しているのではありません。すべての小部屋を管理している台帳が同じディスク上にあってその管理台帳(FATという)からそのファイルの存在を消去しているだけなのです。さらにその消去も実に簡単で、ファイル名の先頭の1文字を消しているだけなのです。ですから、台帳を壊すか(ディスクの初期化)、空き部屋に別のファイルを書き込まない限り、元のファイルは100%そのままで残っているのです。 要らなくなったパソコンを処分する際には、「ハードディスクを初期化してから!」ということが意外と知られていないのです。
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