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パソコン関連を生業とする私も不覚でした。確かにタイの洪水は9月ころから騒がれ始めていて知ってはいましたが、10月になってからは信じられない水害の映像がテレビから伝わってきて、これはタイという農業国にとっては一大事だと感じていました。特に、アユタヤとバンコクは観光したこともあるので、余計に悲しかったのですが、正直言って悲惨であるけども、その時は他国の出来事でした。
ところが、タイには日本企業も多く進出しており、工場が浸水被害を受けて、日本も大変だということを知ることになったのです。しかし、さらに1週間くらいしてから、パソコンの主要な構成部品であるハードディスク(以下、HDD)の主力工場がタイにあることを知るわけです。まさにタイ洪水は、我が身に直接関係することになったのです。タイは世界のHDD生産の6割を占める、ということはこの時、初めて知ったのです。
HDDはパソコンメーカはもちろんですが、我々パソコン修理業者においても必要不可欠な重要部品です。この業界は、“ウイルス”の駆除と“HDD”の修理で成り立っている面は否定できないので、実に困ったことになった訳です。タイ洪水により、HDDはすでに品切れと価格上昇が始まっていますが、これが沈静化するには数カ月ほどかかるようです。
スマートフォンやタブレット端末も記憶装置を持っていますが、それらはHDDではなく、半導体のメモリーから構成されています。仕組みはUSBメモリーと若干仕組みが異なるのですが、いわゆるフラッシュメモリーです。このため発熱や振動や動作音が少なく、かつ読み出しが高速であるなどメリットは多いのですが、HDDに比べて容量が小さいこと、容量当たりの価格が高価であることなどから、まだ爆発的な普及にはなっていませんが、徐々に増えつつあるようです。
HDDの故障とデータ救出については、我々の業務内容として別の機会に紹介したいのですが、なにしろ、1分間に数千回転するディスク(円盤)に記録されたデータを磁気ヘッドで読み書きするのですから、当然ながら寿命が短いのです。音楽などの記録はレコード盤から始まって、テープ、MD、CDになってHDDに移行してきました。時代は、機械的に回転する磁気円盤方式から、回転しない電気的な半導体方式に移行する途中とも言えます。
頻繁にこのコラムでも書いていますが、HDDは4~5年で壊れ始める完全なる消耗品です。半永久的な記録媒体とは決して言えませんし、持ってせいぜい10年くらいなものです。貴重なデータや記録などを後世に残すような記録に向いていないことだけは確かです。
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